Vol.1 地盤改良
Vol.2 基礎工事(前編)
Vol.3 足を伸ばせる浴槽さがし
Vol.4 基礎工事 中間編
Vol.5 基礎工事後編
Vol.6 棟上げ
Vol.7 中間検査
Vol.8 構造見学会
Vol.9 カウンターをデザインしました。
Vol.10 シンプルな外壁で。
Vol.11 大工さんも終盤です。
Vol.12 仕上げ~。
Vol.13 竣工

Vol.1 地盤改良

2011年4月20日  地盤改良をしました。

今回は部分的な表層改良で済みそうですが、
それでも、深さ150センチまで掘って、
30センチずつ改良土を入れながら転圧をかけていきます。

お家を建てる時って、見えないところにも、予算がかかってしまいますね。

同じ地盤でも、調査方法によっては結果が異なることがあります。
調査でOKが出れば地盤保証がつくので、巨額の改良費を捻出する前に、
数社に調査依頼してみるのもいいのではないでしょうか。

Vol.2 基礎工事(前編)

6月17日 基礎工事 三日目

今日は生コン1日目。
大きなミキサー車が2台現場に到着しました。

昨日のうちにさや管が仕込まれています。
さや管とは、メンテナンスしやすいように、
さやのように配管を保護することで、
長期優良住宅には必須の仕様です。
このさやの中に、配管を通していきますので、
コンクリートに直接配管が触れることが無く、取替が容易です。

配筋検査も無事に合格しました。

どんどん生コンが入っていきます。
ムラが出来ないように振動を与える人。
そのあとから、コテで均して行く人。
みんな黙々と進めていきます。
横で見ている私はなんか申しわけないですね。
御近所さんまで、じっと遠くから見守って下さっていました。

1回目終了。次回はは立ち上がり部分の生コンです。

Vol.3 足を伸ばせる浴槽さがし

1216サイズのお風呂でも足を伸ばせる浴槽と洗い場は無駄のないすっきりとしたデザインがいい。
との要望を受けて、浴槽探しへ・・・

ノーリツ ユパティオリズ1216だとゆったりしていて良かったのですが、
洗い場カウンターが必要ないとのことで、保留。メーカーさんの思惑通りにはいかないものです。

日を改めて、INAXのショールームに行きました。
一番人気のラ・バスの浴槽はすべて小さく、諦めかけたとき、ふと、マンションリフォーム用のリノビオというシステムバスが目に入りました。シンプルなデザインで、O様のご要望に近いような気がしました。

洗い場もカウンターがなく、広々としています。シンプルすぎてなんか物足りない気もしますが、
好みや要望って人それぞれ違います。

予想通り、O様に案内すると、これで決まり!と、ひとつ返事でした。
わたし的に納得いかないのは価格です。マンションリフォーム用だからか、若干高いのです。
さらに元々がマンション用なので天井高さが2Mしかありません、高くするのに30,000円追加。
『お風呂って毎日の事だから後悔したくない』・・・と追加料金にご承諾いただきました。

TVやパソコンなども先日お買いものされたらしく、どんなものを買ったのか嬉しそうに教えてくれます。
ちなみにTVは50インチの3Dらしい!!!いいなぁ~。

こういう小さなやりとりの繰り返しですが、一つ一つ納得しながら一緒に選んでいったり、
様々な会話の中で、また別の世界が見えてきたり、楽しいですね。

Vol.4 基礎工事 中間編

6月23日

6月なのに・・・猛暑です。
雨かなと思っていたけど、全然降りませんでした。今週の天気予報はハズレばかりです。

まっ、こちらにしてみれば、幸運です。
型枠を組立て、立ち上がりコンクリートを打ちました。ここまで来ると、完成間際です。
写真ではわかりにくですが、アンカーボルトは2M以内ごとに埋めています。
また、土台の継手やコーナー部分にも埋めます。
*アンカーボルトとは、基礎と土台を緊結する金物です。地味ですが、大事な部分です。

3日程養生して型枠を外します。
楽しみです。

Vol.5 基礎工事後編

7月4日

型枠が外れました。最近はほとんど100%のお家がべた基礎(立ち上がり以外の内側にも鉄筋を並べてコンクリートを打ち)です。
べた基礎にすると、地面からの湿気が入りにくく、また、白アリ被害にも効果的とのこと。
もちろん構造的にもずいぶん頑強になります。もう普通のことなのですが、ご近所のおじさんやおばさんはすごく頑丈そうな基礎やね~と驚いてくださりました。

ヘッダー配管は湯水の色分けがされていて一か所から各ヶ所に流していきます。
これをするとアフターがとっても便利なのです。
見た目もすっきりしていてきれいです。
床下も整理整頓しておくと気持ちがいいですね。

さあ、次はいよいよ棟上げですよ~

Vol.6 棟上げ

7月6日

待ちに待った棟上げ。
お施主様と御近所さんやお友達が見守る中、8時から始まりました。
とても順調でした。平屋だし、3時くらいには棟が上がるだろうと期待して待つ人達・・・。

なのに・・・
なのに・・・
蒸し暑すぎるのです。

職人さんたちの顔色は悪くなり、私は何度も休憩を指示しました。
高所での作業は絶対に失敗できない。命にかかわるのです。

なんとか棟だけは上がり、化粧物(濡れてはならない魅せる構造材)の養生が終わった頃、
ザザーッと大粒の雨に変わりました。野地板を貼り、ルーフィング(屋根防水)まで行きたかったけど、
今日はここで終了。仕方ないです。お天気には勝てません。

でも・・・みなさん、本当に暑い中、お疲れさまでした。
O様、沢山の差し入れ、ありがとうございました。

梁の上での作業も平気な人達。
私は足場にしがみついて写真撮影。

柱と梁を合わせています。かけやという大きな小槌でたたきます。
これは一度たたいてみたい。

一番大きな梁が入ります。
大野製材所でつくった杉の集成材です。
地産地消を謳っています。

兵庫県の木材を使って家を建てると、県産ローンといって、長期固定の低金利ローンを利用することが出来ます。
また、補助金なども出るので、いいことづくしなのです。
どうせ建てるなら、地元の山でとれた木を使って、いっぱい得しましょう。

わかりますか~。棟が上がってます!!!

上棟おめでとうございます!

結局、帰宅したのは夜8時。
12時間紫外線に侵され、お肌はボロボロでございます。
久しぶりにパックをしてゴロンと横になるやいなや、Zzz・・・。
なかなか、いい一日でした。

Vol.7 中間検査

7月半ば

カラーベスト葺きが終わると、いよいよ中間検査です。
中間検査で一番重要なところは、建築金物です。

ホールダウン金物は基礎と柱を緊結する最も重要な金物の一つです。
KN(キロニュートン)で大きさが変わっています。写真は20KN。

 

これは筋交いプレート。留めるビスの数だってしっかり決まっています。
見えないところですが、一本一本チェックしていきます。

せっかくなので、床下断熱材も撮影しました。
カネライトの75ミリです。
私がこの仕事を始めたころは20ミリ程度が標準でしたが、
ここ数年の間に、断熱材はどんどんよくなりました。

中間検査は 『合格』 です。

さぁいよいよ面白くなってきますよ~。

Vol.8 構造見学会

7月13日

長期優良住宅の構造見学会をしました。

御近所のおじいちゃんが
『最近のお家はごっつい基礎を打つんやのう~』
とひどく感心されていました。

確かに、平屋なのにこんなにごっついの必要なんやろか・・・と思ったりもします。
何でもそうですが、これが普通で当たり前になっているわけで、
地震大国である我が国では押さえどころなのでしょうね。

長期優良住宅は少し価格も上がりますが、固定資産税や不動産取得税の優遇があったり、
補助金がもらえたりとメリットもあります。

海外ならメンテナンスは当たり前だから、
わざわざ長期優良住宅って名づけるのもどうかなとも思いますが、
形から入らなくては根付かないのも確かなのです。

これから、お家をご検討されている方・・・
メンテナンスフリーのお家なんてありません。
メンテナンスを楽しみましょう。

そして、住んでから様々なストーリーを創り、家族の思うように変えていける、
可変性のあるお家がいいですよ。(スケルトン・インフィル住宅といいます)

Vol.9 カウンターをデザインしました。

8月13日

キッチンのカウンターを製作中です。
ありきたりのものは嫌だとのことで、考えた結果、グランドピアノをモチーフに作り込みました。

杉を縦に並べたのは、鍵盤をイメージしてのことです。
全体をアール状にしたのは、グランドピアノをイメージしてのことです。

柔らかくて温かい無垢の杉は、表情も豊かで、生きてる感があふれています。
端材を使ったので、材料代もかからず、なんだかすごく得した気分ですね・・・。

『エコ』 なのに 『豊か』 って 素敵だな・・・ 

Vol.10 シンプルな外壁で。

8月25日 外壁の工事が完了しました。
雰囲気はSハウスみたいな仕上がりになっています。

写真では伝わりませんが、黒い屋根がどっしりとしていて、クリーム色の樋や破風もサイディングの白と程良く溶け合っています。
サイディングのテイストも写真では伝わらないのが残念です。凹凸がはっきりしていて、高級感たっぷりです。

限られた予算で、ここまでまとまったのは非常に嬉しいです。
養生が取れて玄関ドアがあらわになったらもっと素敵ですよ。

Vol.11 大工さんも終盤です。

8月29日

掘りごたつの蓋も杉で作りました。
現場は外まで木の香りがします。

座卓の天板も手作りです。四方を床材の残材で囲い、中は間柱を割って埋め込みます。
現場のゴミがとっても少ないので好評なのです。

和室が出来たら木工事は完了です。
白木は一度汚れると再生が難しいので、とても気を遣います。大工さんもいつも以上に緊張して作業します。

現場はピリピリですが、私はこの緊張感が大好きです。
工事終盤に近付くと、基礎工事からの様々な事が走馬灯のように駆け巡り、感無量になってきます。
打てば響く現場は、本当に居心地がよく、最後の追い込みに向かって一つになります。
職人さん達といい仕事が出来たことに感謝し、また次のお家も一緒に頑張りたいと思います。

クロス職人さんがパテ塗りをしています。ゴールは目の前だ。。。

Vol.12 仕上げ~。

9月になっていよいよ完成間近となりました。

和室とリビングの間に入る障子を調整しています。猫を飼ってらっしゃるので、ワーロン紙というプラスチックを含んだ丈夫な障子を貼りました。柄は雲竜。写真では確認できませんが、小さなお子さんのいる家庭にはもってこいのものだと思います。若干お値段は張りますが、破れる度に張替える苦労を思うと結果的には安いお買い物ではないでしょうか・・・。

今日は、お施主様とお友達が出来たてホヤホヤの堀こたつの中に入って、時計をどこに付けたらいいか・・・など、楽しそうにお話されています。もうすぐですよ~~~。

寝室に造り付のTV棚を創ります。TV、周辺機器、FAXのサイズを聞き、その両サイドにもちょっとしたものを収納できるように、
また、全体のバランスが美しくなるように(今回はシンメトリーです)デザインと利便性を考えながら設計しました。
なによりも今回は端材を使い切るのも目標でした。小さなものもつなぎ合わせてまるで手芸のような感覚で創り込みました。
兵庫県でとれた杉の香りが寝室いっぱいに広がり、気持ちよく眠れそうです。

普段は上の写真のようにTVが見れて、両サイドの収納が隠れています。

両サイドを開けるとこんな風になります。
1本レールで兼用の扉だから
すっきりしています。

仕上げはドイツの自然塗料『リボス』の出番です。匂いもマイルドでべたつかず、塗りやすい塗料です。もちろんここは私が塗りました。
塗装している時はとても集中できる時間のひとつです。意外と簡単に塗れるので、お施主様でも大丈夫だと思います。
是非一度挑戦してみてはいかがでしょうか。。。

Vol.13 竣工

シンプルな中にも温かさや可愛らしさをもった外観。玄関ドアのステンドグラス、ドアの色、壁の色のバランスが絶妙です。
平屋は2階建てよりもデザインが難しいのですが、うまくまとまったいい例になりました。

東側にはいっぱい窓を設置。どの部屋からも朝日が差し込むようにしています。とても気持ちのいい一日の始まりに期待。

吹抜けには待望のプロペラファンをつけました。勾配天井&化粧梁&ファンだけは絶対譲れないと強く希望されていました。
4枚羽の白に到達するまでにも時間がかかりました。

コテコテの和風ではなく、ナチュラルに仕上げたい。そんな思いから明るくて柔らかなテイストにしています。
キッチン前の腰壁の高さは、ダイニング側から汚れた食器等が見えないように少し高めに立ち上げています。
小さな事ですが、大切だと思います。どこまで開放してしまうかは人それぞれですものね。

堀こたつのやぐら部分。これも端材で製作しました。コーナーに火打を入れているので非常に頑丈です。
ご近所さんも見学に来られて、感激して下さいました。

一見普通の和室です。でも押入襖をあけると仏間になっています。仏壇をシンプルに置きたいとのことで、存在感のない仕上げにしました。でも襖をあけるとしっかり框も入れて本格的なんですよ。

電子ピアノの横にも可愛い飾り棚をつけました。角がアール型になっていて、嫌みがありません。

切株の皮をむいて創りました。これはサービスです。一番喜んで頂けたひと品です。

さてこれは何でしょうか??? お施主様が小柄なので、洗濯機パンの周りに踏み台をはめ込むためのものです。
このあと、白に防水ペイントして納品。洗濯機の奥行きが邪魔で窓の開閉が出来なかったのですが、これで問題解決です。

初めてお会いしたのが2月なので、お引き渡しまでに7カ月かかりました。だいたい平均くらいです。
メールのやりとりはほとんど毎日です。だんだんプライベートな話題も多くなり、一緒に食事をしたりと楽しい7カ月でした。
お引渡はホッとする反面、なんだか寂しい瞬間でもあります。
お披露目会にもご招待頂いて、嬉しいかぎりでした。本当にありがとうございました。